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ここでは易学=易経(周易)に基づく占いの成り立ちについて、初心者向けに解説しています。易の起源は中国の有史以前、まだ文字がなかった時代だと言われています。
○ プロローグ T 易の基本 陰と陽 U 易の周辺 五行〜儒教 V 八卦と呼ばれる抽象芸術 その1 W 八卦と呼ばれる抽象芸術 その2 X 易の主役 六十四卦 Y 六十四卦と日本文化 Z 六十四卦の序次=序卦伝・上篇 [ 六十四卦の序次=序卦伝・下篇 \ 男尊女卑と女尊男卑 ] 占い方 T 易の基本 陰と陽完璧とアバウトが同居する世界易の理論を書いた本を『易経』という。「経」というと、仏教のお経を連想し、何やら宗教臭いイメージで捉えられることもありそうだが、本来「経」というのは、この世の縦糸となるべき重要な書物、という意味なのであって、言うなれば「易の教科書」といった意味合いに過ぎない。編集したのは孔子である。 孔子は『易経』の他に、『詩経』、『書経』、『礼経』、『春秋経』という四つの書物も編纂したのだが、これらを合わせて、後の時代に「五経」と呼ぶようになった。 対人関係を円滑にし、敵を作らず、人望を集めることは、人間が人間である以上、誰しもが願う永久不変のテーマだが、その方策が理路整然と展開しているのである。時代背景は、孔子が編纂したのだから、今から2500年以上前の中国というわけで、それをそのまま現代社会に応用するのは多少ムリな面もあるが、基本的な理論自体は決して古さを感じさせない。 |
爬虫類的感性と陰陽の調和 中国地方の南側で気候温暖な瀬戸内を走る鉄道を山陽本線、対する日本海側を走る鉄道を山陰本線という。これはその昔、それぞれの地方を山陽道、山陰道と称したことに由来するわけだが、易の基本はこのように、諸事象を陰と陽に分類して認識することに始まる。 さて、その易の基本、陰と陽、何をもって分類するのかと言えば、活動的な事柄を陽、静かで受動的な事柄を陰とするのだ。 何やら猫が欠伸でもしそうな話で、爬虫類的とでも形容したくなるネクラな感性を持った人に好まれそうな理屈だが、だからこそ占いにはある種独特の暗さが付き纏うのかも知れない。 |
陰陽の始まりとは 天(天空)は一時も休むことなく、日、月、星を巡らせ、晴雨寒暖を施すが、地は天の施しをひたすら従順に受容するのみで、日照りや暴風雨でさえも、何ら文句を言わない。 、とは、見るからに抽象的で無機質な記号だが、そんな愛嬌のなさが逆に想像力を豊かにし、縦横無尽に理論を発展させたのであって、この記号に決まったのは、次のようなことからだった。 言われて見れば確かにそのとおりで、不思議なおかしさがあるが、ともあれこの理屈、さらに展開すれば、例えば次のように分別される。 陽=天、円形、王、君子、老、父、親、兄、大、仁、理性、賢、正、善、有、前、速・・・ このように対比してみると、陰陽は互いに対立しているかのようでもあるが、実際はそうではない。 では、どうすれば陰陽が調和するのだろうか。 |
3対2の割合 古代中国人の観察では、天は地を覆っていて、天は円形、地は方形を主体に形成されているように思えた。天空を彩る星は一部の例外を除き、北極星を中心に、円を描くように動き、大地を区画整理するときは方形に区切るのが便利だからだ。 円周率という定数と方形の見た目の形を比較して論じるのは、いささか無理があるようにも思えるが、あるいは円と内接する正方形の面接比率と考えてもよい。 陰陽の基数をもって秩序を考えた例は、かつての日本にはしばしばあった。その代表格と言えば、奈良時代の大宝律令「班田収受の法」だろう。 |
雅楽の場合 舞楽はそのゆったりとした音の流れと優雅な所作が、慌忙とした現代社会とはまったく異質な空間を醸し出している、などと言われているが、それはともかく、舞楽は形式を重んじるために、陰陽をもって概ね次のように 陰の属となる右方は朝鮮から伝来した 舞楽公演では古来、この左方と右方を交互に演奏することで陰陽の調和を求めたのだが、明治神宮で毎年5月と11月頃に行われる宮内庁楽部楽友会の奉納舞楽も、簡略化されているとは言え、基本的にこの様式に従ってプログラムが組まれていて、何やら往時にタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえるのが嬉しい。 さて、易の話をするに当たっては、その関連事項も多少確認しておかないと円滑さを損ねる恐れがある。そこで、言うなれば道草ではあるが、次に、そんな中から少し触れておこう。 |
最終更新日:令和02年10月31日 学易有丘会
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