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漢文として楽しむ論語 衞靈公第十五 3/4トップページ 論語序説(朱子による孔子の略歴) 學而第一 爲政第二 八佾第三 里仁第四 公冶長第五 雍也第六 述而第七 泰伯第八 子罕第九 郷黨第十 先進第十一 顔淵第十二 子路第十三 憲問第十四 衞靈公第十五 季氏第十六 陽貨第十七 微子第十八 子張第十九 堯曰第二十 20(399) 子曰君子求諸己…
○ 【書き下し】子の曰く、君子は諸れを己に求む、小人は諸れを人に求む、 【訳】先生が仰った。何か問題が起きたとき、君子は自分を責め、小人は人を責める。 【解説】求むは責めること。 21(400) 子曰君子矜而不爭…
○ 【書き下し】子の曰く、君子は矜かなれども而も争わず、群すれども而も党せず、 【訳】先生が仰った。君子は誇り高く厳かに己を保ち、心に背き悖るところがないので、人と優劣を争うこともしないし、大勢が集まった中に居ても和順にして心におもねるところがないので、損得を考えて特定の仲間を作るようなことはしない。 【解説】党とは私利私欲を求める小人の集まりのこと。徒党を組む、悪党という言葉があるように、江戸時代までは悪いことを企む集団の代名詞だった。 22(401) 子曰君子不以言擧人…
○ 【書き下し】子の曰く、君子は言を以って人を挙げず、人を以って言を廃てず、 【訳】先生が仰った。君子は善いことを言うからといってその人を用いない。しかしその用いない人が言った善いことは捨てずに取り上げる。 【解説】ここでは、言うことは善であっても行いがまだ善となっていない者の処遇を述べている。 23(402) 子貢問曰有一言而可以終身行之者乎…
○ 【書き下し】子貢、問いて曰く、一言にして以って身を終うるまで之を行う可き者有りや、子の曰く、其れ恕か、己の欲せざる所、人に施すこと勿れ、 【訳】子貢が質問して言った。生涯守り行うべきことをひとことで言うとすれば何でしょうか。先生が仰った。それは恕(思いやり)だ。自分がして欲しくないことを人にもしないことだ。 【解説】一言は一字ということ。後半は顔淵第十二2に出て来る文章でもある。 24(403) 子曰吾之於人也…
○ 【書き下し】子の曰く、吾が人に於けるや、誰をか毀り誰をか誉む、如し誉むる所有る者は、其れ試みる所有り、斯の民は、三代の以って直道にして行う所なり、 【訳】先生が仰った。私は人に対して、誰かを毀ったり誰かを褒めたりはしない。もし誉めることがあれば、実際にその人を見て確かめてのことだ。今の民は、夏殷周三代の直道を受け継ぎ行っているはずだから、私のその場の個人的な思いで彼等を毀ったり誉めたりすることはできない。 【解説】三代は夏殷周のこと。直道は、まっすぐな道、正しい政道、善を好み、悪を憎むこと。 25(404) 子曰吾猶之及史之闕文也…
○ 【書き下し】子の曰く、吾れ猶、史の文を闕き、馬有る者、人に借して之に乗らしむるに及べり、今は亡いかな、 【訳】先生が仰った。昔は文書を作成するときに、疑わしいところがあればそのまま空白にしておいたし、馬を持っている人は気軽に乗りたい人に貸していた。よい時代だった。今は残念ながら、そんなことはなくなってしまったが。 【解説】ここでは世が衰えて人情が日々に薄くなるのを嘆いている。史とは事を記す書、文は字。 26(405)子曰巧言亂コ…
○ 【書き下し】子の曰く、巧言は徳を乱る、小を忍ばざるは、則ち大謀を乱る、 【訳】先生が仰った。言葉巧みな人の話を鵜呑みにすると正しいことがわからなくなる。小さなことを我慢しなければ、大きな計画は達成できない。 【解説】人間関係も、小さなことを我慢できなかったことが、やがては破局に繋がったりもする。 27(406) 子曰衆惡之…
○ 【書き下し】子の曰く、衆、之を悪むも必ず察す、衆、之を好むも必ず察す、 【訳】先生が仰った。みんなが悪いと言っても、必ず自分でその真相を調べてから判断しないといけない。みんなが好きだと言っても、必ず自分でその真相を調べてから判断しないといけない。 【解説】仁者であれば、衆の好悪が適切か否かすぐに判断がつくものだが、未だ仁者ではないのなら、惑わされて適切な判断ができなくもなる。多数の意見が正しいとは限らない。 28(407) 子曰人能弘道…
○ 【書き下し】子の曰く、人、能く道を弘む、道、人を弘むるに非ず、 【訳】先生が仰った。人が道を広く大きなものにするのだ。道が人を広く大きなものにするのではない。 【解説】道は孔子が目指す道のこと。多くの人々が賛同することで、その道は偉大なものとして広まる。しかし道を目指していると言うだけで、その人が広く大きなものになるわけではない。水戸の弘道館という名称はこれに由来する。 29(408) 子曰過而不改…
○ 【書き下し】子の曰く、過ちて改めざる、是を過ちと謂う、 【訳】先生が仰った。過ちに気付いてもすぐに改めないのが、本当の過ちだ。 【解説】小さな過ちならば、気付いたら速やかにこれを改めれば、その過ちはなかったことにもなる。しかし改めずに放置していれば、やがて大きな害が及ぶことにもなる。 30(409) 子曰吾嘗終日不食…
○ 【書き下し】子の曰く、吾れ嘗て終日食らわず、終夜寝ずして、以って思いしかども、益無し、学ぶに如かず、 【訳】先生が仰った。私はかつて、終日何も食べず、徹夜して思いを巡らしたことがあったが、何の利益もなかった。結局、学ぶに如かずなのだ。 【解説】何かを考えるとき、何の手がかりもなく、ただ思いを巡らしても、下手な考え休むに似たりで、何の答えも導き出せない。そういうときこそ、必要な知識を得て適切な判断をするために、学ぶことが大事なのだ。 |
最終更新日:令和02年10月21日
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